沼田市観光協会

吹割の滝

bottomimage 吹割の滝

吹割の滝とは

 「東洋のナイアガラ」と称される「吹割の滝」。美しい景色の中で、豪快に飛散する荒々しさを肌で感じることのできるとても刺激的な滝です。夏の暑い日に滝からの天然ミストを全身に浴びると、気分爽快。新緑、紅葉と季節によって表情を変える名瀑は人々を魅了します。整備された遊歩道を一周して、利根の自然に触れてください。
 そして滝に感動した後は、老神温泉へ。良質な温泉で心も身体も癒されます。



吹割渓ならびに吹割瀑

 片品川は、上流の泙川(ひらがわ)合流点から下流の栗原川合流点の間で渓谷を形成しています。これを吹割渓谷と呼びます。渓谷は凝灰岩(ぎょうかいがん)や溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)を削り込んで形成されており、右岸には屏風岩(びょうぶいわ)がそそり立っています。
 河床は凝灰岩で平担な所が多いですが、特に広い所を千畳敷(せんじょうじき)と呼んでいます。河床には多数の甌穴(おうけつ)があり吹割の滝付近から、にぐら石に至る約1.5kmの間に分布しています。
  甌穴の平面形は、ほとんどがほぼ円形で、川の流れに直交する方向に細長い点で共通しています。大きさは長径6~7mが最大であり、2~3mのものが多いです。
  河床の凝灰岩は数本の断層が横切り、その部分に硅質(かくしつ)、石灰質の鉱液(こうえき)が入り込み、沈殿して断層の左右約1mが硬化し、侵食されずに突き出したのが屏風岩(びょうぶいわ)、獅子岩(ししいわ)の奇勝です。吹割瀑もこの断層の切れ目に沿ってできたU字谷の側面に滝の落ちる様子が、あたかも滝が岩石を吹割るように見えるので吹割瀑と名づけられました。
 平成3年に渓谷を取り囲む1周約1時間の遊歩道が整備されました。途中にある3つの観瀑台からは渓谷をそれぞれ違った角度から眺められます。

吹割の滝

吹割の滝(ふきわれのたき)

 高さ7m幅30m余にもおよび、飛散する瀑布は東洋のナイアガラといわれています。この滝は河床の岩盤の柔らかいところが侵食され、多数の割れ目を生じ、その中の大きく割れたところが滝となり、あたかも巨大な岩が吹き割れたように見えるところから「吹割の滝」の名で呼ばれるようになりました。
 学術的にも貴重な水の侵食によって出来た滝で、多くの人が訪れます。4、5月の新緑の時期は雪解け水を飲み込む豪快な滝、秋は渓谷美とあいまって紅葉に映える滝。季節ごとに違う表情を見ることができます。

鱒飛の滝

鱒飛の滝(ますとびのたき)

 吹割渓谷の中の下流部に位置する滝。その昔、利根川の支流片品川にも鱒が遡上していましたが、この滝まで来ると段差がありどうしてもその上流に上れなかったそうです。鱒が懸命に越えようとして飛び跳ねてたことが由来してその名前が付きました。高さ15m、幅6m余。

般若岩

般若岩(はんにゃいわ)

 吹割の滝下流の右岸にそそり立つ岩壁が、般若に似ているところからそう呼ばれています。

甌穴

甌穴(おうけつ)

 川底のくぼみにあった石が、水の力で回転しながら岩を掘り下げることにより穴ができます。水と礫(れき)の巧みな造形で、吹割の滝の下流には色々な大きさの甌穴を見ることができます。

屏風岩

屏風岩(びょうぶいわ)

 見上げると、巨大な岩がそそり立つ。屏風に似た姿をしているので、屏風岩と呼ばれています。850万年以前に流れてきた火砕流(かさいりゅう)が固まってできた岩石です。

遊歩道

遊歩道

 吹割の滝を見たら、浮島橋を渡り浮島観音堂へ。そのまま整備された遊歩道を進むと観爆台から滝がよく見えます。ゆっくり歩いて一時間程度。滝の音を聞きながら森林浴を楽しんでください。

吹割の滝伝説

 吹割の滝の滝つぼは、昔から竜宮へ通ずるといわれています。
 その昔、村で祝儀などの振舞ごとがあるたびに、竜宮から膳椀を借りていました。必要になるとお願いの手紙を書いて滝に投げ込み、渦に巻き込まれて深い竜宮へと吸い込まれていき、前日には頼んだ数の膳椀が傍の岩の上にきちんと置かれていました。三日のうちにお礼の手紙をつけて、もとの岩の上に置けばいつの間にか見えなくなり、竜宮へ返されていたのです。
 ところがある年のこと、借りた膳椀を返すときに数を間違えて一組だけ返し忘れてしまいました。竜宮では貸した膳椀が不足していることを知り、以後いくら丁寧に頼んでも借りられなくなってしまったということです。
 今でも、この膳椀は竜宮の椀とよばれ、大切に保存されています。
 ※竜宮の椀は一般の住民の方が保存しているため見学はできません。

浮島観音と観音堂の由来

 浮島如意輪観音(うきしまにょいりんかんのん)は、古くから名匠・左甚五郎(ひだり じんごろう)の作と伝えられてきました。左甚五郎は、寛永時代の日光東照宮の大造営に添棟梁(彫刻の棟梁)として加わり、あの有名な「眠り猫」をはじめ数千の彫刻を完成させたと言われています。その頃、左甚五郎がこの地方を訪れたという来訪説では、時期ははっきりしていませんが、東照宮の完成(1936年)後、甚五郎は何度か日光を訪れたということなので、おそらくその何度目かの帰りに、遊山かたがた金精峠(こんせいとうげ)を越えてこの地を通り、追貝宿(おっかいやど)に一泊してこの観音像を彫ったと思われます。(左甚五郎一夜の作といわれている。)
 これを裏付けするように、近年、隣の片品村でも立派な恵比寿様の木魚と大黒様の墨絵が見つかり、その墨絵には正保2年(1645年)左甚五郎と署名がありました。今は東小川の千明美術館(ちぎらびじゅつかん)に展示されています。
 現在、この観音像は金箔塗りとなっていますが、元の姿は白木彫りでした。ところが、明治26年、ある者がこの観音像を前橋の石丸という塗師の家へ持参して、金箔塗りを依頼したままその後いっこうに受け取りに現れず、とうとう昭和27年まで石丸家に大事に保管されていました。その間、昭和20年8月5日の前橋大空襲の際には石丸家も全焼しましたが、その寸前に奥さんが、大切な家財と一緒に観音像をリヤカーで運び出し、間一髪で焼失をまぬがれました。そして、同年3月大勢の人たちに迎えられてこの地へ帰って来たときは、白木の筈の観音像が金箔塗りのお姿に変わっていたのです。以後、追貝の海蔵寺(かいぞうじ)に仮安置されていましたが、浮島橋の開通の日、平成2年4月26日、ようやく97年ぶりにここに安置されました。

 観音堂は記録によれば平安初期の延暦(えんりゃく)14年(西暦795年)に観音不動昆沙門大師(かんのんふどうびしゃもんだいし)が創設し、その後、文明8年(1469年)に本尊再興とあり、更に天文(てんぶん)3年(1534年)に御堂再造(改築)したものが最近までありました。しかし、老朽が甚だしく昭和59年5月にほぼ原型のまま新築され現在に至ります。

観音堂 浮島観音
見学
  • 自由 ※例年12月中旬~3月下旬は冬季閉鎖されます。遊歩道は夜間通行止めです。
観覧料
  • 無料
駐車場
  • 吹割大橋手前信号の右側に無料駐車場(約10台)あり。利根支所前駐車場も駐車可。
    滝に近い民間のドライブインは有料・無料駐車場があるので、確認してから駐車してください。
所在地
  • 〒378-0303 沼田市利根町追貝
アクセス
  • 自家用車
    関越自動車道 沼田I.C.から国道120号線を尾瀬方面へ直進約25分(約16km)
  • 公共交通機関
    JR沼田駅から鎌田行きバス45分「吹割の滝」下車 徒歩約3分(220m)
お問合せ
  • 沼田市役所 観光交流課
  • TEL:0278-23-2111
  • FAX:0278-24-5179