温泉 ─ 老神温泉
「脚気川場に瘡老神」といわれ、昔からおできや腫れ物に効き目があると湯治客で賑わっていました。老神温泉には、神々の戦いによる次のような開湯伝説が伝えられています。
かつて、上野国赤城山の神が大蛇に、下野国二荒山の神は大百足に化身し、神域をかけて戦場ヶ原で激しく争いました。あるとき、赤城山の神は矢傷を負い、何とか赤城山の麓まで逃げました。傷ついた赤城山の神が矢を抜き、地面に突き刺すと不思議なことに湯が沸きだし、この湯を浴びるとたちまち矢傷が癒え赤城山の神が二荒山の神を追い返したといわれています。神を追い返したことから、追い神が転じて老神となったといわれています。
老神温泉では、老神の湯を開湯した赤城山の神に感謝し、毎年5月に「大蛇まつり」が行われています。